車椅子の部位の名称と説明
車椅子の部位の名称
車椅子の部位の名称には、聞きなれない名前が多く出てきます。
どの部分の名前なのか、どういった役割を果たすのかわからなければ、
車椅子を選ぶのも一苦労ですね。
各部位の役割を知っておくと、聞きたいことがあるときに具体的な質問をすることができますよ。
車椅子の部位の名称とその役割を順番に見ていきましょう。
1.手押しハンドル 2.グリップ(握り) 3.介助用ブレーキ
介護する方が車椅子を移動、操作するときに使用する部分です。
介助用ブレーキは、介護する方が操作するブレーキで、
自転車のブレーキと同じ使い方です。
車椅子を一時停止する時や、坂道等でブレーキをかけスピードを調節するときに使います。
自走用の車椅子には、介助用ブレーキが付いていないタイプもあります。
→ カワムラサイクル車いす ループブレーキレバー
4.バックサポート(背もたれ)
車椅子利用者の背中がよりかかるところ、背もたれです。
姿勢を保持するための役割もあります。
リクライニング機能が付いたものや、
身体にあわせるよう「張り」の調整ができるものもあります。
背折れができるタイプは、折りたたみ時に背もたれを折りたたむことができるので、コンパクトに折りたためます。
→ 車椅子サポートシートα
5.ブレーキ
介助用ブレーキとちがい、後輪についているブレーキです。
自走用、介助用も後輪を押さえつけるようにしてタイヤを固定します。
駐車時に使用し、停止中の車椅子を動かないようにします。
駐車ブレーキともいいます。
→ カワムラサイクル車いす用 延長ブレーキ棒 長さ10cm
6.ハンドリム
自走用車椅子の後輪の外側についている輪(リング)のことです。
自走用車いすを手でこぐ時に、この部分を使います。
後輪よりも直径が小さくなります。
タイヤとの間隔や形状、材質などが工夫されています。
樹脂製のものが多いですが、ステンレス製で、ノブが付いているものや
ビニールコーティングがされているものもあります。
7.ティッピングレバー
段差などで介助車が前輪を持ち上げるときに使用します。
ティッピングレバーに足をかけて踏み込むと、 車椅子の前方が持ち上がり、段差を超えやすくなります。
8.駆動輪(後輪)
操作した時の駆動力を伝える写真の全体を指し、 ハンドリムもこの一部です。
大きさは、一般的に自走用では22~24インチ、 介助用では12~20インチです。
タイヤには空気の補充が必要なエアタイヤ、 空気の補充をしなくてもよいノーパンクタイヤがあります。
エアタイヤはクッション性が良好で屋外でも使用ができます。 ノーパンクタイヤは病院や施設で使用されることが多いですね。
9.キャスタ(前輪)
前輪です。 後輪にくらべて直径が小さく、3~7インチ程度。
360度回転するため、自在輪ともいいます。 方向転換するときに重要な役割を持っています。
10.アームサポート(ひじ掛け)
肘から先の腕を乗せるためのものです。
姿勢を保ったり、立ち座りの時の支持に使ったりします。 用途やデザイン性から形状も様々です。
固定式のほかに、着脱式やはねあげ式などの可動式のものもあります。 可動式のものは、車椅子からヘッドやおトイレに移乗する際に便利です。
→ 車椅子の腕置きからの腕のずれや落下を防止アームサポート うでささえ
11.サイドガード
洋服などが横から垂れ下がらないようにするためのカバーです。
12.シート(座シート)
座るための座面のことです。
地面からの高さが低いものを低床式といいます。 低床式は小柄な方や、足こぎをされる方にオススメです。
クッションを乗せて使うかたは、 クッションの厚みも座面の高さに入れて調節しましょう。
13.レッグサポート
足を支える装置一式の事です。 座面と同様の布地などで作られており、 両側の支柱に張ったものやプレートタイプのものなどがあります。
このレッグサポートが左右に開くものを「スイングアウト」といいます。 角度が調節できるものを「エレベーティング式」といいます。
14.フットサポート
足を乗せておくものです。
片方ずつはねあげができたり、両方つなげられたりするものがあります。
車椅子の主な種類
車椅子には、使用目的やお使いになる方への身体状況によって様々な種類があります。 身体状況に合わない車椅子では、乗り心地が悪く、前へずれて腹圧がかかり内臓を圧迫したり床ずれを起こすことにもなります。 状況に合った乗り心地のよい車椅子を選び、できるだけ良い姿勢を保ち、車椅子ですごせる時間を長くもてるようにしましょう。
自走用車椅子
上肢がしっかり安定し、活発に動かれる方のために、不要な部分をのぞき、軽量化しているものが多いです。 片麻痺の方向けの、片手で操作できるものや、 足で地面を蹴って進むために座面が低いものなど、様々な車椅子があります。
車椅子の後ろにあるグリップに介助用の補助ブレーキ(介助ブレーキ)が付いているタイプもあります。 介助者におしてもらうこともできます。
介助用車椅子
自走用にくらべ、後輪の直径が小さく、小回りがきくのも特徴です。
ブレーキも介助者が使う前提で後輪の後方についているタイプがおおく、 グリップにも補助ブレーキ(介助ブレーキ)がついています。
電動車椅子
コントローラー部分を操作して使用します。
四肢(手足)に障害を持った方以外にも、自走用車椅子では長時間の移動ができない方にも利用されています。 座面の下にバッテリーを積むために相当の重量になります。 また、電動カート・電動車椅子のサイズによっては、警察への届出が必要な場合があります。
そのほかの車椅子
主な車椅子はこの3種類ですが、このほかにも、リクライニングやティルト(傾ける)機能が付いた車椅子、 部品の組替えによって、車輪やシートの位置などを調節して、利用者に合わせることのできるモジュールタイプの車椅子もあります。