床ずれ予防具の選び方
床ずれの最大の原因である圧力に対して、もっとも効果的な予防方法は体位交換ですが、実際には昼夜問わず2時間に1回の体位交換を行うことは介護者のことを考えるとなかなか困難です。
床ずれ予防具を使用すれば体位交換をしなくても良いと考えている人がいます。
床ずれ予防具は圧力を分散するのであって、全くなくなるわけではありません。
あくまで床ずれ予防をお手伝いするものなので、体位交換は必要ですが、使わない状態に比べて体位交換の回数を減らすことができます。
床ずれ予防具はタイプによって長所や短所がありますので、使用者にあったタイプを選びます。
必要以上に効果のある物を使用すると動きにくくなったり、起きあがりにくくなったり、逆に寝心地が良くなることで起きてこなくなり、寝たきりなってしまうことがありますので注意が必要です。
マットレスは介護レベルに合わせて選びましょう
体圧分散マットレスには、様々な種類があります。
ご使用者の身体状況とベッドのサイズに合わせて選びましょう。
体圧分散マットレス・・・ベッドで過ごす時間が長い方に
オーソドックスなタイプです。通気性を重視したものや防水・撥水性を重視したものまで、様々な種類があります。
素材も様々あり、ポリエステル・ウレタンフォームから。ゲルや水の素材のものも作られています。
ベッドで過ごす時間は長いけれど、自力でベッドから起き上がれる、寝返りができる方にオススメします。
エアマット(エアーマットレス)・・・寝たきりの方に
マット内に空気を送り込み、寝返りのサポートや座位の保持など、様々な機能が搭載されてます。
ただし、要介護度の低いときに高機能なマットレスを使用すると、自力で起き上がる力が失われる可能性もあります。
必要な機能が付いたエアマットレスを選ぶことが重要です。自力で寝返りができない方にオススメします。
必要以上に沈み込まないかどうか
厚みがありすぎて必要以上に沈み込むと、体の両サイドや肩や腰などの突出した部位に圧力が集中してしまいます。
底づきしないかどうか
床ずれ予防具に寝た時に、体の一部がベッドマットレスや布団などについてしまうと、それ以上圧力分散ができません。
底づきしない方が、圧力分散能力が高いといえます。
押し返してこないかどうか
空気や水を使った床ずれ防止具で注意しなければならないことは、量が多すぎると押し返す力が強いということです。
押し返す力が強いと逆に床ずれの危険性が大きくなります。
押し返してくる力を制御するために、体重によって空気圧調整ができるタイプがいいでしょう。
表面はザラザラしていないかどうか
寝たきりの方の皮膚は弱っていることが多く、少しの擦れで傷ついて床ずれの原因となってしまいます。
指を縦横に滑らせてみてザラザラするものは避けましょう
天然素材である、羊の毛皮は弾力性に優れており、体圧を分散して摩擦を軽減します。
やわらかいので、リウマチで骨が変形している方や、やせている方に適しています。
ムートンの床ずれ予防クッションは、洗濯機で丸洗いできるのもうれしいですね。
ビーズの入っている座布団や、ゼリー状の柔軟素材で作られているバッドは、床ずれ防止の効果があります。
床ずれができてしまったら、このような小物とマットレスを組み合わせると、床ずれの痛みとわやらげるのに役立ちます。
体位変換
自力で寝返りが打てない方には体位変換パッドや変えた姿勢を保持するパッドを使用するのもよいでしょう。
わきの下、ひざの下、腰の下など差込み、姿勢を保持します。
工夫次第で比較的かんたんにいろいろな体位を取ることができます。
しかし、同じ姿勢が長く続けば、血液の循環を悪くすることになりますのでご注意ください。